一般的な賃貸物件の高齢者が利用している現状
高齢者になっても、賃貸物件に入居する人は少なくありません。中高年の頃から同じ賃貸物件に住み続けていれば問題ありませんが、高齢者になってから新たに入居先を探すことは容易ではないでしょう。一般的に、賃貸物件は賃借人の入居時年齢が75歳までなど制限されていることが多いからです。賃貸人が高齢者の孤独死などを避けたいと考えるからかもしれません。 すると、高齢者が入居できる賃貸物件は極めて限られてしまうため、高齢者用の賃貸物件が提供されるようになりました。賃貸物件は過剰供給の傾向があり、入居者を増やすために高齢者が住みやすいようリノベーションを施す賃貸人も珍しくありません。こうした高齢者向けの賃貸住宅は、バリアフリー化が進み、室内事故を防ぐ工夫がなされるなど、高齢者が安心して住める構造になっています。
高齢者向けの賃貸物件とは
高齢者向けの賃貸住宅として、サ高住やサ付きと呼ばれる高齢者向け住宅が挙げられるでしょう。サ高住やサ付きは、サービス付高齢者向け住宅の略称です。サービス付高齢者向け住宅は、住み慣れた地域で高齢者が快適に生活することを目的としており、60歳以上の高齢者や60歳未満の要介護者を対象としています。一般型と介護型の2種類があり、一般型は、自立できるかまたは軽度の要介護度認定者が入居するサ付きで、介護型は、要介護度の高い高齢者を対象とするサ付きです。サ付きでは、生活支援や安否確認をしてもらえるほか、身体介護やリハビリも施してもらえるでしょう。身体介護は、食事や移動に加え、排泄や入浴の介助など要介護者に対して身体接触の必要な介護を指します。